トップページ > 中国コラム > 日中関係が冷めても日本製品は熱い
先日久々に中国の友人と温泉に行きました。いつもビジネスの話をしている仲間なので、今回も情報を仕入れました。どうも最近中国の富裕層の間で日本の南部鉄器は人気のようです。
早速調べたところ、タオバオ(日本でいう楽天市場)では日本の鉄瓶や急須は1500元〜8000元、日本円で2万円〜10万円で取引されていることが分かりました。中には職人による手作りの鉄瓶が特に人気で、東北の南部鉄器、関西の亀文堂、龍文堂などは中国の消費者によく知られています。
<タオバオで日本の鉄瓶が高く売られています>
日本では2 万円前後で売られている鉄瓶がタオバオでは、1.5 倍の5万円で売出されています。写真の商品は月5個売れているので、単純に10万円の売り上げが中国に行けば25万円になる計算です。もうすこし安いランクの鉄瓶なら2万円で月20個前後売れています。
<王剛の「天下収蔵」という鑑定番組>
中国では近年骨董品や、工芸品のコレクションがブームです。そんな中で日本製鉄瓶は工芸品の価値と、実用性を併せ持ちといったバランス良さが好評されています。中国中央テレビの鑑定番組「天下収蔵」は大人気で、本物ではないと判断されたらその場で金槌でぶち壊すという過激な番組ですが、タオバオのコメントの中には、日本の鉄瓶なら叩かれても壊れないのが心強いと、冗談混じりのコメントもありました。
日本製品の良さが中国では広く根付いているため、日中関係が緊迫した今でもその人気が変わっていません。今回中国のデモでは日本車が攻撃の対象になってしまいましたが、それでも中国人が日本のものが好きで、「大勢の人の前で披露するものでなければいざという時でも被害を受けることはない。」そう考えて日本製のものを買い続ける中国人消費者はたくさんいます。日中関係が冷めても、中国人の日本製品への熱意は変わりません。
デイビッド・ウー(David Wu)
鉄瓶 铁壶(ティエ フー)
急須 茶壶(チャ フー)
骨董 古董(グー ドン)
鑑定 鉴定(ジェン ディン)
金槌 锤子(チュエ ヅー)